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数を数えるのはよそう。
次から次へと現れる奴らを数える間に戦う時間も、逃げる時間もなくなってしまう。
ーーカチーー
聞き覚えのある金属音が隣で聞こえたと思えば、聖月は《何か》をゾンビの群れの中に投げつけた。
「…ちょ!何であんなのまで持ってんのよ!?」
聖月が投げたのは、軍事使用の手榴弾だった。
地面に転がり、行進するゾンビの中で手榴弾は音を出して爆発した。
「!!?」
手榴弾の威力は通常よりも大きいものだと感じた。
火薬の量を増やして改造していたのだ。
通常の手榴弾で吹き飛ぶ程の威力の2倍、ゾンビは吹き飛んだであろう。
残りの爆発を逃れたゾンビの額を聖月はハンドガンで撃ち込んでいく。
弾が減ってきたら歩きながらこなれた捌きでポケットから弾を取り出し補充する。
「行くよ。」
「…あ、うん。」
地は血にまみれ
大事故が発生した三車線の道路には生きた屍共が徘徊し
事故を起こした車は燃え盛り
街には轟音が鳴り響く。
そんな地獄絵図のような春日の町に沙乃と聖月は昔の戦友を探すべく都心部の1番激しく交戦された場所へ乗りこんでいく。
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