アメリカン・ナイトメア

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 私が日課にしている散歩の、丁度折り返しの辺りの公園にベンチと自動販売機がある。  自動販売機で寒いときにはホットの烏龍茶、暑いときにはよく冷えた緑茶を飲みながらベンチで休憩。  そんな何気ない日常のワンシーンであった筈なのに。  彼らは何の前触れもなくやって来た。  私が座るベンチの真横に自動販売機はあるのだけど、わいわいと何か騒ぎながらやって来る少年達。  時間的に学校の帰りかな?中学生くらい?  そんな事を思いながら何気無く眺めていた彼らは、私と目が合うと軽く会釈をしてくれ。私もそれに倣って返す。  どうやら目的は自動販売機だったらしくて、相変わらず三人で楽しそうにしながらどれにするか?なんて相談をしている。  私はそれを何となく聞きながら、ぼんやりと晩御飯は何にしようかと考えてたのだけど。 「うっわ!?やべぇ!?買えねぇじゃん!?」  悲痛な叫びに思わずそちらを見ると、既にコーラとアクエリアスを手にした少年の傍らで。  財布を開いたまま酷く狼狽えている少年が居た、何事かと残る二人も財布を覗き込み。 「うわ!?なんだこりゃ!?」 「ちょ!?お前マジでか!?」  沈痛な面持ちの少年とは裏腹、何故か二人は大爆笑。一体何が起きていると言うんだろう。  そんな私の疑問に答える様に、彼は言い放った。 「換金し忘れて、ドルしか入ってねぇ!?」 「ぶはっ……」  思わず飲んでいた紅茶を吹き出しそうになった。
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