5人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ドルとは言わない。セントで良いから、買ってくれないか?」
セントも持ってたじゃんか!いや、どちらにせよ使えないけどっ!って言うか買ってくれって……!
「ごめんな、俺……あと26円しかないんだ……」
「悪い……この500円をドルにしちまったら……俺はお前の二の舞になっちまう……ドルしかないなんて……俺には耐えられないっ……」
いやもう私が耐えられんわっ!って言うか君はさっきから演技掛かってたけど更に増したな!?
「そうか……すまない……忘れてくれ……これは、俺の過ちだ。目立とうと虚飾で着飾った俺に、神が罰を与えたんだな……」
「違うっ!お前は、俺達に本当の事を打ち明けたじゃないかっ!嘘が罪だとしても、懺悔したお前は許される筈だっ!」
「いいや、違わない……一度犯した罪は……懺悔したって消せやしない……何度財布を見ても……中にはドルしか無いのさ……」
「……くっ、救いは……救いは無いのか……」
なんだか酷く盛り上がっていますが、私は完全に撃沈されております。もう腹筋が痛いっ!お腹を抱えて笑うとか久しぶりだわっ!
そんな彼らを笑い者にしていた私にも、罰が下る。身体を追って笑い声だけは噛み殺していた私の足元に、影が、落ちた。
「もし……もし……そこのお方……」
そう、巻き込まれたっ!
最初のコメントを投稿しよう!