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「うん。親が小さい時離婚して、母親が女手ひとつで育ててくれたの。だから大学に進むって考え、私の中にはなかったかな。うちの会社は、高卒から就職出来るからー」 「木田先輩もそうだもんね」 「そうそう。渚ちゃんも高卒でしょ?給料は大卒より安いけど、めげずに頑張って欲しいな」 「頑張ったら家具大量買い出来る貯金も出来るし?」 碧が冗談ぽく言う。 「そーだよー?ま、別の名を結婚貯金って言うけどね」 私も笑いながら碧を見る。でも碧は少し不思議そうな顔をした。 「あ、結婚貯金は二十歳過ぎた頃から貯め出したの。いつか結婚する時にーって。でもまだ結婚は遠くなったから、まだまだ溜まりそうだわ。あ!渚ちゃんはそんな事ないんだろうけどね」 大好きな彼氏がいるって言ってたし。でもまだ店に来た事ないんだよなー。渚ちゃんは誘ってるみたいだけど、彼がなかなか来てくれないらしい。
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