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◇
夜中…
なんか物音がする…
ドア開いた。
あ、なんか帰って来たっぽい。
声がそう。
でも3人じゃないような…
美咲の声がしない…
あれ…
なんで男の人の声までするの??
一緒に戻って来ちゃった訳?
なんで私いるの知ってて連れてくるのよ…
意味わかんない。
すっごく嫌。会ったばっかりの人とどうして同じ部屋にいなきゃいけないの??
あれ?でもなんか騒ぐ感じじゃないっぽい?
本当に寝るの??
気になって私の方が眠れないじゃん!!
このまま静かに…
ってあー、やっぱそうよね。
寝息じゃないよねコレ。
まさか最後まではしないだろうけど…
最悪。
信じらんない。
私には無理。
どうしよう。
ここに居るのも嫌なんだけど、行くところもないし…
ロビーにいようかな。
その方がずっと気楽だわ。
散歩もしようかな。
うん。そうしよう。
悪いけど、ちょっと邪魔するわ。
咳払いして…
ほら、静かになった。
このまま少し大きめな足音させて、部屋を出る。
悪いけど鍵は持って行くわ。
外寒いだろうなぁ。
でも部屋にいるよりずっといい。
田舎の夜は灯りが少ない。
とっても静かで、出歩いちゃいけない気さえしてくる。
飲食店も全部終わってるし…
確かこの先にコンビニあったよね。
地図アプリにそうなってた。
ちょっと遠いけど、行こうかな。
時間つぶしになるよね。
それにしても寒いし暗い。
正直心細いし、寂しい。
あれ?
誰か歩いてくる…
ライト持ってる。
こんな時間に歩く人なんているんだ。
素通りしなきゃ…
怪しい人に思われちゃう。
「優美?」
はい?
「こんな時間に何してんだよ!」
直哉さん…
知ってる人に会えてちょっと涙出そうになったのに、怒らなくてもいいじゃんか。
「そっちこそ何してんの?」
「俺は夜警だよ。今日当番なの」
そうなんだ。
「ご苦労様」
「で、なんでこんな時間に歩いてんだ?」
「部屋に居づらいの。さっきみんな帰って来たと思ったら、直哉さんのお友達も一緒に来ちゃってさ…」
「それで外出てきちゃった訳?」
「うん」
「先輩。すみません。こいつ心配なんで、抜けてもいいですか?」
え?
「あぁいいよ。もう終わるし。オーナーにはうまく言っておくから」
「すみません。ありがとうございます」
「おぅ。お疲れー」
「お疲れ様です」
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