第1章

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◇ 夜中… なんか物音がする… ドア開いた。 あ、なんか帰って来たっぽい。 声がそう。 でも3人じゃないような… 美咲の声がしない… あれ… なんで男の人の声までするの?? 一緒に戻って来ちゃった訳? なんで私いるの知ってて連れてくるのよ… 意味わかんない。 すっごく嫌。会ったばっかりの人とどうして同じ部屋にいなきゃいけないの?? あれ?でもなんか騒ぐ感じじゃないっぽい? 本当に寝るの?? 気になって私の方が眠れないじゃん!! このまま静かに… ってあー、やっぱそうよね。 寝息じゃないよねコレ。 まさか最後まではしないだろうけど… 最悪。 信じらんない。 私には無理。 どうしよう。 ここに居るのも嫌なんだけど、行くところもないし… ロビーにいようかな。 その方がずっと気楽だわ。 散歩もしようかな。 うん。そうしよう。 悪いけど、ちょっと邪魔するわ。 咳払いして… ほら、静かになった。 このまま少し大きめな足音させて、部屋を出る。 悪いけど鍵は持って行くわ。 外寒いだろうなぁ。 でも部屋にいるよりずっといい。 田舎の夜は灯りが少ない。 とっても静かで、出歩いちゃいけない気さえしてくる。 飲食店も全部終わってるし… 確かこの先にコンビニあったよね。 地図アプリにそうなってた。 ちょっと遠いけど、行こうかな。 時間つぶしになるよね。 それにしても寒いし暗い。 正直心細いし、寂しい。 あれ? 誰か歩いてくる… ライト持ってる。 こんな時間に歩く人なんているんだ。 素通りしなきゃ… 怪しい人に思われちゃう。 「優美?」 はい? 「こんな時間に何してんだよ!」 直哉さん… 知ってる人に会えてちょっと涙出そうになったのに、怒らなくてもいいじゃんか。 「そっちこそ何してんの?」 「俺は夜警だよ。今日当番なの」 そうなんだ。 「ご苦労様」 「で、なんでこんな時間に歩いてんだ?」 「部屋に居づらいの。さっきみんな帰って来たと思ったら、直哉さんのお友達も一緒に来ちゃってさ…」 「それで外出てきちゃった訳?」 「うん」 「先輩。すみません。こいつ心配なんで、抜けてもいいですか?」 え? 「あぁいいよ。もう終わるし。オーナーにはうまく言っておくから」 「すみません。ありがとうございます」 「おぅ。お疲れー」 「お疲れ様です」
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