第1章

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「「「かんぱーい!」」」 ってなんで、女友だち4人でスキーしに来てこんな事してんだろう。 ナンパされて仲良くなって夜まで遊ぶって… 3人とも楽しそう。 でも私はこんなとこで飲んでるくらいなら、ナイター行きたかったな。 でもみんなに合わせないとだよね…… ナンパしてきたとき向こう3人だったし、人数も合ってないみたいだし、途中で抜けてもバレないよねきっと。 私だけ浮いてるし…… 「あれ?もう1人は?」 「そうだよ。もう1人来るって言ってたじゃん」 こなくていいよぉ。 抜けにくくなるから。 「あーごめん。仕事終わってからくるって言ってたんだけど、遅せぇな」 このまま来なくていいよ。 ってゆーか、来ないで。 もうすぐ私抜けるから。 そのために烏龍茶なんだし。 「悪い。遅くなった」 「おせーよ!あ、紹介しまーす!こいつ斉藤直哉」 「どーも」 え?なんで? 聞き違えるわけないよこの人の声。 今日転んだとき助けてくれた人だもん。 声に一目惚れした人だもん。 イヤイヤだった飲み会にこんな軌跡があるなんて!! え?でも…他人のそら似(そら声?)とか… 眼鏡してたっけ? でも直哉さんっていうんだぁ。本当にこの人なら嬉しいな。 聞いてみてもいいよね。 「あのぉ。眼鏡取ってもらえませんか?」 「なんで?」 「声が…」 「声?声でなんで眼鏡?」 「声が昼間助けてくれた人に似てたから、そうかなーと思って確認したかったんですけど…ごめんなさい」 「あぁ君、昼間の」 うそ?覚えてるの? 「やっぱり!」 「壁落ちた子!」 ストレート……… 「あーはい」 落ちたって…… 「でもなんで俺だってわかったの?」 「あー。声すっごくいいなって思ってたから…」 あ…変なこと言っちゃったかも… 「めずらしいね」 「昼間はお世話になりました」 あぁなんでこんな社交辞令みたいなことしか言えないんだろ私。 「なに?2人知り合いだったの?」 「知り合いってゆーか、今日助けた1人」 助けた1人って… そうだよね。仕事で助けたうちの1人だよね。 でもね、私にとっては一目惚れだったのよ。 「へぇー。ってゆーか、何お前!飲んで無いわけ?」 「あー悪い。ちょっとこの後あってさ」 なにかあるの? 「またこれ?」 「まあね」 あー、彼女ありなんですね。 そうだよねー。 「なんで烏龍茶なの?」 え?なんでバレてるの?
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