第1章

3/12
前へ
/831ページ
次へ
「え?あー……」 「さっき間違えてそれ飲んだら烏龍茶だったからさ」 へ?間違えて飲んだ?? きゃー!それってそれって…… ってゆーか、いつのまに!? 「………」 「なんか真っ赤だよ。ごめんね。言いたくなかったみたいだね」 そんなことなーい! 「違うんです」 「ん?」 「スキーに来てまさかの飲み会だし、なんか私だけ浮いてる気がしてたから、ナイター行こうかと思ってて……」 「浮いてるからナイターなの?」 ちがーう。 上手く伝わってないよぉ。 「元々ナイター行こうと思ってたんです。でもまさかでこうなって…せっかく滑りに来たのに勿体なくて……」 「そうなんだ。じゃあ抜ける?」 「え?」 「実はさ、俺こーゆーの苦手なんだ。帰るきっかけ欲しいしさ」 早く帰って彼女さんのところ行きたいんだね。 「じゃあ出ますか?」 「そうだね。いきなり居なくなるのもまずいから、トイレでも行く振りして抜けようか」 慣れてるじゃん。 「はい」 「先行っていいよ。外で待ってて」 「はい」 私だけ追い出されたとかだったら笑うー。 もういいや。 どうせもう会えないんだし。 一瞬で終わった恋だったなぁ。 ま、これも思い出よね。うん。 「お待たせ」 本当に来た! 「……」 「なに驚いてんの?」 「あーすみません。私だけ追い出されたのかと……」 「なにそれ」 「ごめんなさい。抜け出すきっかけ作ってくれてありがとうございました。彼女さんのところ行くんですよね。じゃあ私これで…」 あーもう恥ずかしい。 「待ってよ」 へ? 「はい?」 「ナイター行くんでしょ?」 「行きますけど…」 だから何? 「じゃあ着替えたらスキーセンターの前来てよ」 は? 「なんでですか?」 「ん?俺も滑るから」 はい?? 「え?だって彼女さんのところに行くんじゃ………」 「は?あー、あれか」 はぁ?? 「はい?」 「コレっての勝手に勘違いして彼女だと思った訳?」 え? 「違うんですか?」 「違うよ。雪山戻るって意味なんだけど、あいつらからかっていっつもあんな感じなんだよ」 そうなんだ。 え?ってことは? 「え?じゃあ……」 「一緒に行こうよ。15分位で来られる?待ってるから」 「はい」 「じゃあね」 「すぐ行きます」 うそー! 一緒に滑ってくれるなんて! やばい一目惚れじゃ済まなくなりそう
/831ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加