どこまでも

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◆ あれから2ヶ月。 不思議なもので、特殊な研究のなかにいたらしい俺達は、回復もありえない速さで進んでいた。 現状はおかしなもので、俺たちのいたあっちの世界での出来事とリンクする部分があったりなかったりで… デジャヴ?って思えばいいのかなんなのか…… 正直ごっちゃになりそうになる。 精神的不安定とかいう言葉つけられて、まだ病院にいるけど… 早く出たい。 そりゃまあまだ不便なこといっぱいあるけど… 「なぁ直樹」 「ん?」 城ノ内がリハビリに付き合いながら話し出した。 「お前、退院したらどうする?」 なんだ突然。 「ん?帰るけど」 「じゃあ遠距離恋愛ってやつか」 っ…… 遠距離… ずっと前の記憶にもある言葉。 あの頃は、絶対そんなこと出来ないって思ってたよな確か。 でも優美とならって… そっかそれも繰り返しか。 「したくねーけど、このまま連れ去るわけに行かないだろ。あいつの親だって、やっと回復した娘と一緒にいたいだろうしな」 「まあね」 「それに…」 「ん?」 「俺は、優美の親からしたら、どこの誰かもわからん奴だもんな。いきなり一緒に暮らしますとは言えねーよ」 あっちでは、結婚してたけど… 現実は違う。 でもいつか、絶対に認めさせてみせる。 「あぁそれね。親同士昔からの友達らしいから、なんとかなんじゃねーの」 は? そこは、あっちと同じか。 あーもう。ややこしい。 そういえば俺、まだ親父にもいろいろ確認してなかったな。 この世界での出来事を… 「そっか…」 「なんだよ驚かないのか」 「別に。そこはあっちと同じかと思っただけだ」
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