どこまでも

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------------------------------ ◆ 城ノ内とリハビリ中、ザワザワとした雰囲気に、みんなが入り口の方を見た。 「おいおい。ずいぶんと大勢の客だな」 城ノ内が言うのも無理はない。 あり得ねぇことをしてる女がいる。 「うぜぇ」 「直樹さん。早くこの病院を出ましょう。最高のリハビリが受けられるように、最高のメンバーを揃えましたの。家に帰ってリハビリのほうが、精神的にもいいですわ」 はぁ? なにをわけのわからんことを。 「こいつら何?」 大勢引き連れて……迷惑っつーこともわかんねーのか。 いい加減うぜぇ。 「直樹さんの為に揃えたのよ」 ってことは、こいつら理学療法士とかか。 「お前さぁ、俺が治ったらどーすんの?こいつらお役ごめんでクビにでも?」 「直樹さんの為ですもの」 はぁ。 これだから。 なんでも思い通りにするお嬢様。 いい加減、話し合わせるのも面倒だ。 病院に迷惑かけない為におとなしくしてたけど、逆効果だったみたいだし。 それに、そろそろ優美の機嫌も限界だろう。 「あんた俺の何を知ってるわけ?恩返しのつもりなら、迷惑なんだけど」 そう。こいつはパーティーで転んだところを助けたことのある女。 助けたのに、いきなり囲まれて、犯人扱いされたからな。 そのあと、spと親が謝りに来てたっけ。 所詮その程度。 「わっ、私はただ直樹さんの力になりたくて……」 はいはい。 あわあわして、泣くパターンだろ。 なんかこっちの世界に戻ってから、俺、冷静な分析だな。 「俺の力になりたいなら、近づくな。こういうのも迷惑。この人たちの再就職先ちゃんと考えてんの?先のことまで見据えらんねぇんじゃ、経営者はつとまらねーよ」 あ、ほら涙だ。 「経営なんて…なんで…」 あーもう。 「もし、直樹が完治したら、この人たちの勤め先はどこになりますか?それとも一生すごせる賃金でも渡すのですか?」 城ノ内がいった。 冷静かつ、冷めた言葉。 でも的確。 そして… あの目で、女の後ろにいた奴に、無意識に話し出すように仕向けるあの行動をした。 「月100万。その男を自分のそばに置いておけるように、完治させない程度に見ろと。そうすれば生涯雇うと」 ひでぇ。
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