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ひと騒動がおさまって、みんなに謝りたおした。
迷惑以外の何物でもないからな。あんなの。
にいちゃんモテるねぇなんて冷やかしもあったけど、同情とイヤミもたっぷり。
まあ、仕方ない。
迷惑かけたのは俺のせい。
「直樹も大変だね」
優美がサラッと言った。
「悪い」
「ま、信じてたけどー」
「サンキュ」
で、昔の俺はどんなだった?
優美との毎日が当たり前になってて、昔の俺がどんなだったかなんて……
どーでもいいや。
「直樹ってさぁ…」
「ん?」
「やっぱりモテるよねぇ」
なんだいきなり。
「はぁ?んなもん嬉しかねーよ」
「女の子がほうっておかないよねぇ。あっちでもこっちでも……」
だからなんだ?
「別に。迷惑なだけ」
「みんな綺麗だし…、良いところのお嬢様って感じで、似合ってるよね」
は?
なんだそれ。
「お嬢様って感じってゆーか、本物のお嬢様だしな。疲れんだよあーゆーの」
「本物…か。ま、いいや。リハビリしよっと」
「あぁ。はやく出られるように頑張ろうな」
「頑張っちゃうよぉー」
ガッツポーズしている優美が可愛くてたまらない。
俺のこと信じてくれてたし。
なんて、自分のことばっかりで……
優美の強がりだって気づけない俺がいた。
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