恋の味

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その瞬間、 痛っ! 突如指に痛みが走る。 どうやら割れたお皿の破片を持っていたあたしは、苛々してたせいかいつの間にか指を切っていたらしい……。 指には血が滲んでいる。 「指、切ったのか?」 手に目をとられてると、降ってきた声に顔を上げる。 部屋から出て来た朱海が、罰の悪そうな顔を向けてきた。 「へーき、これぐらい」 と言ったあたしは、散らばったお皿の破片に手を伸ばす。 「アホか、見せてみろ」 「やっ、触んないでよ、変態っ!!」 つい口から出てしまったその“言葉”。 目の前の朱海の目が、一瞬だけ目を見開く。 だって、さっき…… 女の人のカラダを触っていたんでしょ?
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