恋の味

11/25
前へ
/27ページ
次へ
「変態って、お前……」 「年下のくせに、生意気! 女なんか家に連れ込んじゃってさぁ」 「そんなの俺の勝手だろ?」 朱海にそう言われて、目線を下げる。 何であたし、こんなにムカついてんの? 「月優、後は俺が片しとく! せっかく持ってきてくれたのに、悪かったな?」 と割れたお皿の破片を朱海が片し始める。 「でも、割ったの月優だし……」 「だったら、揚げ物拾えよ」 「うん……」 朱海に促されて、揚げ物類を拾う。 沢山あるので、拾えきれないから朱海の部屋からゴミ箱を持ってきた。 朱海は無言で、お皿を片してくれている。 その横顔が、いつの間にか大人びていて驚いた。 ……力だって、あたしより何倍も強いんだろうなぁ……。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

405人が本棚に入れています
本棚に追加