恋の味

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物心がついた時から当たり前のように隣にいて、 居心地が良くて、空気みたいな存在で…… お風呂にも一緒に入った事もある。 だからあたしは別に……。 「帰るね、雪ちんにヨロシク……と、奈央おばさんにも……」 そのまま立ち上がると、廊下を進んでいく。 でも朱海は何も言わなかった。 ただ背後から二つの瞳があたしを見据えている気がして、戸惑った。 ねぇ、あたしは恋を知らないの。 それは、砂糖とどっちが甘いのだろう……? ―――… ……ガチャッ! 朱海の家を出ると、門のところに渉斐さんが立っていた。 思わずビクッと足が止まるあたしに彼はゆっくりと近づいてきた。
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