405人が本棚に入れています
本棚に追加
物心がついた時から当たり前のように隣にいて、 居心地が良くて、空気みたいな存在で……
お風呂にも一緒に入った事もある。
だからあたしは別に……。
「帰るね、雪ちんにヨロシク……と、奈央おばさんにも……」
そのまま立ち上がると、廊下を進んでいく。
でも朱海は何も言わなかった。
ただ背後から二つの瞳があたしを見据えている気がして、戸惑った。
ねぇ、あたしは恋を知らないの。
それは、砂糖とどっちが甘いのだろう……?
―――…
……ガチャッ!
朱海の家を出ると、門のところに渉斐さんが立っていた。
思わずビクッと足が止まるあたしに彼はゆっくりと近づいてきた。
最初のコメントを投稿しよう!