恋の味

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「俺が泣かせてると思われたら嫌だから、時間潰してる」 そしてまた背を向ける。 「だから、泣いてませんってば!!」 「分かった、そういう事にしといてやるよ」 と言っても渉斐さんは、家の方向に引き返そうとしない。 途中目に入ったコンビニに足を向けた。 ……そして無言のままコンビニに入っていった渉斐さん。 あたしは仕方なく、コンビニの前で彼を待つ事にした。 ふと空を見上げると、うっすらと見える月。 まだぼんやりとだけど視界に映って、何やってんだろ、と思った。 明日、優花か雪乃にでも男を紹介してもらおうかな…… このままじゃ、パパから抜け出せない気がする。
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