恋の味

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「ねぇ優陽。明日暇?」 「どうかしたの?」 「明日、夜勤だから。昼間映画を観に行かない?」 「でも、寝てなくて平気なの?」 「いいの、あなたと映画に行きたいから……」 「まぁ、月ったら」 おいおい、娘の前で、デートのお約束ですかい!? 「つ、月優もー!」 「あら、月優ちゃんは学校でしょ?」 ぱーんと右手を振り上げたあたしに、ママの突込みが入る。 その目は、“来るな”と言っていた。 何だかんだでママだって、あたしにパパを盗られたくないんじゃんかー! ぶぶぶ、もう妬けちゃうよ!! あたしが思いっきり頬を風船のように膨らますと、パパの手が頭に載った。 そして少ししゃがんだパパは、目を合わせてくる。
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