恋の味

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「ママ?」 「ほら、料理作りすぎちゃったでしょ?」 「だから?」 本当は、“だから何?”と、言いたかったけど、ママの迫力に負けて、最後の言葉は思わず呑み込んだ。 「だから、雪ん家にも持っていってほしいの」 「えええーー?!」 やだよー! これから、お小遣いがー!! ガルルルル! まるで狼のように、あたしはママの顔を見つめた。 けどママの言葉で、あっという間に機嫌が直る。 「お小遣いなら、ママがあげるから」 「りょっかーい!!」 ピッコーンと手を額に持っていき敬礼の真似をすると、そのまま家を飛び出した。 ―――… 家を出たあたしは、スキップして鼻歌なんかを歌いながら朱海ん家に向かっていた。
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