405人が本棚に入れています
本棚に追加
朱海ん家は家から10分ぐらいの距離で、走れば5分もかからない。
……けど大きなお皿を手にしているので、落とす訳にはいかない。
だから、ゆっくりと慎重に朱海ん家に向かう。
ガチャッ!
「雪ちーん!」
朱海ん家にやって来たあたしは、インターホンを鳴らさず入る。
親戚の家だし、よく行く家だし、いつもこんな感じだ。
でも、
しーん。
しーん。
シーン。
玄関に飛び込んでも返ってくる返事は何もなくて、静かな家の中を冷たい空気が通り過ぎていった。
……留守なのかな?
それにしては、鍵だって開いてるし無用心だよね?
「雪ちーん?」
「朱ー海?」
「奈央おばさん?」
最初のコメントを投稿しよう!