恋の味

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このお皿、ずっと持ってると重いのよ? 指だって、プルプルと痺れてきたし……。 とあたしがまたもやノックをしないでその部屋を開けると、 視界に映った光景に、……固まった。 その瞬間、手にあったお皿が見事に床に落下して無残な姿になる。 ……ガッシャンッ! だって目の前の朱海と知らない女の人が、ハダカで縺れ合ってるんだもん! 女の人が上で、朱海が下。 甘い声と荒い息遣いが部屋に響き渡ってる。 !!!!!!!? 人の気配と、お皿の割れる音に気がついた朱海がこちらに視線を向けてきた。 でもあたしは状況が呑み込めなくて、相変わらず動けない。 「きゃっ!」 と小さな悲鳴を上げたのは女の人だった。
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