溺れる

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―――なんで、こんなことになってるんだろう…… 私はベッドの端にちょこんと座り、 事の経緯を冷静に思い起こしていた。 別に今更、 緊張するような事でもない。 でも、あまりの予想外の展開に、 ほんの少し動揺してしまっているのだ。 そう自分に言い聞かせ、 何とか冷静さを取り戻そうと試みる。 それにしても佐藤さんは何を考えているんだろう…… 誰でもいいなら俺でもいいだろって 流れに普通はなる? ―――ならないでしょ…… 呆れ気味にため息をつくと、 とりあえず傍らに脱ぎ捨てられていた背広を ハンガーにかけることにした。 でもハンガーを手にしたところで、 ドアが開く音がして 危うくハンガーを落としそうになってしまった。 .
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