一時限目

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「やっぱり ルシファー・チャイルド 【堕天使の子供】が 混ざっていやがったか。言っとくが俺ももう手加減はしないぜ?」   オレンジ髪の指先に蒼い炎が生まれる。 「俺の“蒼炎”で消し炭にされたくなかったら、さっさと消えるんだな」  炎を纏った指先を向けられた城ヶ崎は、ほんの少し眼を見開いたが、直ぐに笑みを作って歩き出した。  雫と志朗が校庭に出るのと、轟音と土煙とまみれてオレンジ髪が吹き飛ばされてくるのはほぼ同時であった。  顔面で地面を削りながら、雫の真横を2メートル近く過ぎてからようやく止まる。 「大丈夫か出雲?」  心配そうに駆け寄る雫に、オレンジ髪は無様に倒れたまま片手だけを挙げて、 「大丈夫っす、雫ちゃん」 と言って親指を立てた。 「気張れよ出雲。全部片付けてくれていれば楽だったものを」   空元気を上げるオレンジ髪──出雲を 見て士朗は嘆息をついた。これでは自分にお鉢が回ってきてしまう。 「後は任せろ出雲!」  案の定、真横の妹はやる気満々である。 「あっ? 何だお嬢ちゃんは?」  突然の来訪者に城ヶ崎は眉を寄せた。目の前に現れたのは、場違いに小綺麗な美少女に、やたらやる気のなさそうな男だ。
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