一時限目

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 城ヶ崎は舌打ちして拳を握り込んだ。   その位置から乱暴に“空爆”を撃ち放つ。  爆発的に膨れ上がった衝撃波が対象を弾き飛ばす───筈であった。  だが、実際は攻撃目標の士朗は、後に軽く飛んだだけであった。  “ 空爆”によって、飛ばされたのか、自分で後方に飛んだのかすら分からない程度の移動距離。 「てめぇ……何しやがった」  城ヶ崎は歯ぎしりしながら、地団駄を踏む。対する士朗は愛想笑いを浮かべたまま飄々としている。  城ヶ崎はもう一度舌打ちした。  外見と雰囲気に惑わされたが、噂では相手は関東最強とされていたルシファー・チャイルドを倒した男である。  その片鱗を垣間見た訳だが、それでもここまでふざけた相手だとは予想の範囲外だ。  正面突破が無理ならば、人数で力押しも吝かではないと頭に過ぎる。  幸い今いる仲間にルシファー・チャイルドは二人いた。  士朗意外の横槍を防ぐために用意した仲間だったが、人数で畳みかけるには申し分ない能力持ちだ。  いろいろと思案していると、後ろから野太い悲鳴が上がった。  慌てて振り向いた先には、苦痛に呻く仲間達が全員地面に這い蹲っている。  その中央に不機嫌そうに足下を見下している、眼鏡を掛けた制服姿の男が立っていた。制服は守ノ宮の物だが、茶髪に藍色の瞳、彫りの深い顔は明らかに日本人に見えない。
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