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「邪魔だ、どけ。校門前で屯ってじゃねーよ。こっちは留学初日から大遅刻だ。これ以上俺の予定を狂わせるな」
何故かその口から流暢な日本語が流れてくる。
唖然とする城ヶ崎と一緒に、新たな来訪者に心当たりがない志朗と雫は、お互いの顔を見てから首を傾げた。
ここら辺は兄妹のせいかよく似ている。
「何だ貴様は! よくも俺の舎弟をやりやがったな」
城ヶ崎は歯軋りをさらに激しくして、その外人に歩み寄った。
「やろうって言うなら止めとけ。貴様程度のルシファー・チャイルドが俺の相手になるはずがなかろう? 言っておくが俺の力は手加減が出来ない。五体満足でいたかったら、とっとと消え失せろ」
傍若無人な外人は、そう告げると片方の手で校門に親指を向けた。
帰れと言いたいらしい。
「ふざけんなぁ、ゴォラァッ!」
憤慨した 城ヶ崎は拳を振り上げて突進する。
「馬鹿が」
ボソリと呟くと、その外人は校門に向けていた手を城ヶ崎の拳に向かって真横に振り抜いた。
水風船が割れるような不自然な音がした。
灰のような物が空中に舞う。
「……あっ……あ?!」
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