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「起きろシ・ロ・ウ!」
凛とした声が教室に響きわたる。
窓側の一番後ろの席で惰眠を貪っていた加賀峰志朗は、その声でようやく目を覚ました。
「あっ? 授業終わっは?」
大きな欠伸とともに、うつ伏せにしていた上体を起こして伸びをする。
「授業中、居眠りとは感心しないな志朗?」
語尾の荒い美声がする。
十秒程してから、目の前にある端正な顔が自分の妹の顔だと言うことに気がついた。
「なっ! 何だ雫! なんで二年の教室にお前がいる?」
椅子からずり落ちそうになるのを何 とか堪えて、目の前で仁王立ちする妹を見上げた。
加賀峰雫。幼少の頃、離婚した母方に引き取られて行った年子の妹。つい最近まで全く会っていなかった為か、志朗には苦手意識がある。
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