挨拶おばさん、セント・オアシス

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   シズとポメ吉は、幾つもある丘を越えて行った。 てくてく、てくてく、歩いて行った…      『ギュルルーッ』    シズのお腹が鳴った。    「なんだ、シズ腹減ったのか?」   ポメ吉が、聞いた。    「うん、ペコペコだよ」    シズはお腹を押さえて言った。    「ふん、お前らの世界で生きる奴等らは、勝手だな。」    ポメ吉は呆れ顔で、シズに言った。    「えぇ?どういうこと?誰だってお腹空くよ、食べなきゃ死んじゃうよ。 ポメ吉はお腹空かないの?」   シズはポメ吉にそう尋ねた。    「あのなぁ、まぁお前ら人間全てじゃないが、好きな時に食べ、残った物は捨てちまう、それが勝手だと言うんだ。 この世界の者はそんなことはしない、必要な分だけ食べて、余計な物なんかありゃしねぇんだよ。  だから俺も、まだまだ平気だ。 もっともシズ、お前は貧しい様だから、腹減ったのはわかるぜ。 もう少し待ちな、その内に町がある、そこで何か食えばいいさ…実際まだまだ先だがな、ヘヘ」   と、ポメ吉がシズに言った。  
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