報いの樹海~幻惑

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   「待って、待って下さい…」 と、その女性は言った。   シズはあろうことか、足を止め、なんですか?と言いそうに…しかし、両手で自分の口を押さえた。 危なかった。    女性は言った「私の話しを聞いて下さい…私は自分で自分を殺してしまいました。今、とても悔やんでます。…ここで、後千年も縛りつけられるなんて、耐えられません。助けて下さい…」   シズは口に手をやりながら、女性の方を恐る恐る見た。   長い黒髪、優しそうな顔をしていた。   ポメ吉が、「シズ!シーズ!おい!シズ!」 と読んだが、シズには聞えてない。 早くも、樹海の中の女性に意識をそがれていた。  
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