報いの樹海~幻惑

10/43
前へ
/687ページ
次へ
   女性は話しを続けた…「私には、赤ちゃんがいたの。とても可愛いの。フフフ…でもね、ある日、夫が女と浮気して何日も帰って来なかった。…私は疲れ果てていた。夫のことにも、育児にも。でも、赤ちゃんは泣くのよ。いくら私が泣かないで、泣かないで、泣かないでと頼んでも…でも強く、強く、ぎゅっとして頼んだの…そしたら、もう赤ちゃんは…泣きやんでたわ、フフフ…  その後私も、赤ちゃんの後を追ったの…でも」      シズには何とも言えなかった。ただ、ただ女性の話しが強烈で、狂気としか思えなかった。 もちろん、話せなくて正解なのだが。  
/687ページ

最初のコメントを投稿しよう!

63人が本棚に入れています
本棚に追加