報いの樹海~幻惑

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   「おじさん、単なる甘えじゃないか!近寄るな!」 シズは少し後退りした。    「うるせぇい、あの時も死ぬはずじゃ無かった、自作自演で同情買いたかったのに、間違って…」 と男は言った。   「けっ、とんだ間抜け野郎だぜ。」 とポメ吉は吐き捨てた。    「ねぇ、もういいでしょ?ここを通して下さい。」 シズはそう言った。    「あぁ、言いたい事は言ったよ。通っていいよ。悪かったな、握手してくれ、君は良い奴だな。…ニタッ」 と言うと男は結界を解いた。 そして、妙に優しくなり手を出し握手を求めた。   純粋なシズは、出された男の手を握った。  
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