第1章

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見慣れた道を進む 目の前には何処か遠くを見つめる白い色をした狐型のセリアンが佇んでいた その姿に私はこう思う『綺麗だな』と… だがそんな感情と同等に思った事はその尻尾、耳に触りたいだった セリアンの、しかも狐とかの耳や尻尾がその人によって様々な事をもたらすと知って私はその時そう思ったのだ 「…そこの貴方に質問があります」 いきなり声を掛けられ、その声が質問したいと言われたら幾ら同国の民だろうと警戒を持つことは重々に承知した事だ そんなにキツく睨まないで欲しい 「…何用ですか?」 やはり警戒したのだろう。その声には警戒を含めた色んな意味合いが含まれている気がする 「ただ単に綺麗だなと…それと…此処からが本題なんだけど…」 「…何ですか?」 綺麗な白い色をした狐は想像通りの声で答えてくれる 「…貴方のお名前は?」 「………」 突然名前を聞かれたら誰だって警戒するだろう。警戒された事に私は胸に痛みを感じながら自分の名を言う 「…玄闇神楽、闇より玄い闇と書いて玄闇。貴方は?」 「…宿禰銀瑤」 東の王国の貴族の名前…少しまずったかなとそう感じた
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