第1章

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「この度はよろしくお願いいたします。 一緒に行けないのが残念です。」 「ゆっくり楽しんで来て下さい。 村の連中は娘さんに会うのが楽しみしてます。」 「ねえ、おじさんは行かないの。」 「女房が急に倒れて救急車で病院に運ばれてね。」 「私、本当に曾祖母さんにそっくりなの。」 「会ったことはないけどみんながそう言うね。」 娘にその話を聞かせた時に、村では観光のイメージガールに起用したいと言って来たからだ。 私は若い頃に最後に村には帰っていなかった。 数ヶ月前に家族の写真を実家に送ったのがきっかけ。祖母は小さな宿で働いていたらしい。 今は大きなホテルに建て直さらたらしい。 ホテルの支配人とは同期生で一度村に連れて来て欲しいと言われた。 「それでは行って来ます。」「おきつけて。」 飛行機の中では娘はヘッドフォンでカーペンターズを聴いていた。 一時間ほどで着き地元の空港では親戚とホテルの支配人が迎え来ていた。 私は妻と娘を連れて挨拶した。 親戚のじいさんも健在で娘を見ると。 「おー姉様そっくりだ。 村長が見たら喜ぶぞ。」
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