第1章

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「エルスの旦那!こっちでやんす。ゾットの館は。」 「遠いな。長旅だった。カルロンからの船旅を経て、はるばる伝説の死の都、ゾットまでの旅。エバンス、私の旅を一部始終物語にして、世に伝えるのだ。伝説のカイザーの心臓を手にした勇者、エルスの物語を。」 「かしこまりました、エルス様。このエバンスの竪琴の音に乗せて、アウトランド全てに、エルス様の物語を聞かせましょう。ジル。あれがゾットの入り口ですか?」 「さいでやんす。死の都ゾットの門。死者の街です。」 山の谷間に、霧で覆われた、巨大な門が現れる。 死の都ゾット。 伝説の魔法使いカイザーの都として有名で、一夜にして、死の街と化した、巨大な墓標の街である。
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