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「…今日…。」
しばしの沈黙を破ったのはヒナちゃん。
「明日は休みだし、サプライズで彼の家に行ったら、他の女性と一緒にいて…。その人、誰って聞いたら…っか、彼女だって…。」
オーノー…(本日2回目)。
話が読めてしまったぁ…。
泣きながら、一生懸命話してくれたヒナちゃん。
フタマタかけられて、掃除洗濯料理をしてくれる都合のイイ女として扱われた上、逆ギレされて、『誰が好んでオマエみたいなトロくて地味ブスと付き合うか!』と罵倒された、らしい。
「…クソみたいな男がいるんだな。」
温厚で平和主義なオレだけど、少し殺意が湧いたよ。
「そんな男の為にヒナちゃんが涙を流すなんて勿体ない。」
ヒナちゃんがその男の事、どこまで好きだったか分からないけど。
「オレが笑顔にしてあげる。」
「へ??」
へ??
言ったオレも驚いた。
きっといつもなら、テキトーで調子のいいことを言うはず。
女の子を、自分で何とかしてあげたいと思ったのは初めてだ。
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