75人が本棚に入れています
本棚に追加
ピーンポーン
「ひゃっ!」
ずっと一人静かに悩んでいた部屋に、いきなりチャイムが鳴ったから変な声が出た。
だってこのチャイムを鳴らした主は、今私が考えていた相手だから。
ガチャ
「いらっしゃい」
私が出迎えると、碧はいつもの様に笑顔で立っていた。
「ちょっと早く着いちゃった。ごめんね」
あれ…?少しだけ、笑顔が寂しそうな…気のせいかな?
「土曜日でも休みなんだよね?今日。なのにごめんね。さ、上がって上がって。まだ業者さん来ないから」
私はちょっと早口に話すと、玄関に立っている碧に背を向けて廊下にあがろうと片足をあげた。
「亜稀ちゃん?」
「ひょわっ!」
いきなり碧に腕を掴まれ、それにドキッとした為片足で立っていた私の体はバランスを崩し、私の背中は碧の胸へと倒れた。
最初のコメントを投稿しよう!