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「亜稀ちゃん顔赤いけど、体調悪い?」
うーわー!耳に碧の声がっ!息がっ!
私は背を向けたまま、ブンブンと首を振る。
「ほんと?」
碧は私を抱き止めた形のまま。後ろから私のおでこに手を当てた。
「んー。確かに熱はないみたい…かな?」
無いよっ!てかむしろ今碧と密着してるからドキドキして熱が上がってるかも!
「お邪魔しまーす」
硬直した私を余所に、碧は廊下を進んでいく。
「……」
やばい…やばいよ。このドキドキ。
渚ちゃんに話したからじゃない。渚ちゃんに言われたからじゃない。
私知ってる…この胸の高なり。
これは――
「ねー、亜稀ちゃん。今のうちに掃除しようと思ってこれ出してあるの?」
リビングから碧が、モップを手にしてヒョコッと顔を出す。
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