学園の旦那様

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「ちょっと2人で抜けようかね」 「え」 黒ブチ眼鏡の奥の目が意地悪く笑う。毎日一緒に居るのにドキリ、と心臓が跳ねる。 「てことでーお前ら、あとで合流な?」 「「オッケー!」」 「暴走すんなよ」 「愛君また来てね~約束だよー」 2人分の足音が響く。制服の後ろ姿をドキドキしながら追う。 バレてはいけない秘密の空気。懐かしい匂い、床の軋む音。影の出来る階段。 放課後、何度も通ったこの場所。 ガチャ 「懐かしいね」 思い出の資料室。 扉が開いた瞬間になぜだか目が熱くなった。あぁどうして涙が溜まるんだろう。
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