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タツオは冷や汗をかいて振り向いた。土で汚したジョージの顔がすぐ近くにある。目はいれたての紅茶のような明るい茶色だった。
「本体は拳銃弾に対しては防弾仕様になっている。だけどむきだしのローターとポールは別だ。テルとぼくで3機落した」
「武器は積んでる?」
「あのおおきさだし、銃器や銃弾の重さを考えると、搭載はむずかしいだろう。ただ爆弾なら考えられる。敵のそばで爆発させるだけだ。精密射撃のコントロールは必要ない」
一連の発射音が連続した。タツオはその音のリズムだけで、何発の銃弾が発射されたのか聞き分けられるようになっている。今のは12連射だ。煙を噴(ふ)きながら、小型ヘリが林から滑り出て、山の斜面に激突した。ちいさな火球が起きるが、大爆発にはならない。タツオは質問した。
「どう思う?」
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