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「爆弾は積んでいないようだな。だけど信管が不発なだけかもしれない。気をつけたほうがいい」
林の奥からテルが74式を左右に振り、周囲を警戒しながらあらわれた。
「残りは2機だ。姫さまたちはどうしてる?」
「林の奥においてきた」
腰を低くして小走りにテルが近づいてきた。タツオの様子を見て、顔をしかめる。
「おまえ、拳銃しかもってこなかったのか。クニとタツオは失格だな」
スコープを装着した77式突撃銃はプラスチックの部品を多用していても、4キロ弱はある。替えのマガジンを加えれば5キロを超すだろう。それを女子生徒とのピクニックにもってくる。おかしいのは、テルとジョージのほうだった。
そのとき、ローター音と女子の叫び声が同時に響いた。顔を振りあげると、高高度から小型ヘリがまっすぐに降下してくる。テルはすぐにひざをついて空に銃口を向けた。
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