49

5/5
前へ
/12ページ
次へ
「クソ、メインローターが見えない。テールのほうはいつも揺れてて、狙いにくいんだ」  スコープを覗(のぞ)きこんでいる。爆弾を非搭載なら、小型ヘリなど怖くはなかった。心配なのは、サイコと瑠子さまだ。あのふたりを傷つけるわけにはいかない。 「ジョージ、きてくれ」  ジョージが青い顔をしていった。 「さっき木の根につまずいた。足首を捻挫(ねんざ)したようだ。ぼくは走れない。タツオが先に彼女たちのほうにいってくれ」  タツオは風のように走りだしながら、叫び返した。 「わかった。あとできてくれ」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

115人が本棚に入れています
本棚に追加