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「クソ、メインローターが見えない。テールのほうはいつも揺れてて、狙いにくいんだ」
スコープを覗(のぞ)きこんでいる。爆弾を非搭載なら、小型ヘリなど怖くはなかった。心配なのは、サイコと瑠子さまだ。あのふたりを傷つけるわけにはいかない。
「ジョージ、きてくれ」
ジョージが青い顔をしていった。
「さっき木の根につまずいた。足首を捻挫(ねんざ)したようだ。ぼくは走れない。タツオが先に彼女たちのほうにいってくれ」
タツオは風のように走りだしながら、叫び返した。
「わかった。あとできてくれ」
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