1844人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
だけど、ホッとしたのも束の間で
「美桜、なんか顔が赤くねぇーか?」
「そう? そう言えばなんか暑いかも」
俺は美桜の額に手を当てる。
「少し熱があるんじゃね?」
「そう? 熱はないと思うよ」
「念の為計ってみろ」
体温計を出してきて差し出すと、美桜は渋々と熱を計り始めた。
数十秒後、電子音が鳴る。
「どうだ?」
「37.3℃」
「微熱だな」
「そうだね」
「寒気とかねぇーか?」
「全然」
「喉が痛いとかは?」
「全く」
「ダルさは?」
「逆立ちできるぐらい元気」
「お前、逆立ちできるのか?」
「できない」
「じゃあなんで逆立ちの話題なんか出したんだ?」
「なんとなく。元気ってことをアピールしたくて」
「それは薬を飲みたくないからか?」
「……」
最初のコメントを投稿しよう!