第1章

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だけど、ホッとしたのも束の間で 「美桜、なんか顔が赤くねぇーか?」 「そう? そう言えばなんか暑いかも」 俺は美桜の額に手を当てる。 「少し熱があるんじゃね?」 「そう? 熱はないと思うよ」 「念の為計ってみろ」 体温計を出してきて差し出すと、美桜は渋々と熱を計り始めた。 数十秒後、電子音が鳴る。 「どうだ?」 「37.3℃」 「微熱だな」 「そうだね」 「寒気とかねぇーか?」 「全然」 「喉が痛いとかは?」 「全く」 「ダルさは?」 「逆立ちできるぐらい元気」 「お前、逆立ちできるのか?」 「できない」 「じゃあなんで逆立ちの話題なんか出したんだ?」 「なんとなく。元気ってことをアピールしたくて」 「それは薬を飲みたくないからか?」 「……」
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