第1章

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◆◆◆◆◆ 「姐さん、大丈夫ですか?」 運転役を買って出てくれたマサトは、迎えに来て美桜の顔を見るなり心配そうに尋ねた。 確かに毎日一緒にいる俺から見ても、今日は特に体調が悪いらしく顔色も優れない。 ここ数日、食事もあまり取れていない美桜は、歩くだけでもツラそうで足元もフラついている。 そんな美桜にマサトが驚くのも無理はない。 「はい、大丈夫です」 マサトに微笑む美桜。 だけど、その言葉を素直に受け取れなかったらしいマサトは、美桜がリビングから席を外した途端 「どうしたんだ?」 俺に聞いてきた。 マサトにそう聞かれても、俺は答える事ができない。 “美桜が妊娠しているかもしれない” それは、確証がない限り俺の予感でしかない。 甘いな笑みを浮かべる俺を マサトは不思議そうな表情で見つめてくる。
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