第1章

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「風邪か?」 「……」 「どっか悪いのか?」 「……」 「おい、蓮?」 「……分からない」 「分からない?」 「ずっと微熱が続いている。それに吐き気があるらしくて、食事も殆ど摂れていない」 「吐き気?」」 「あぁ」 「……」 「……」 「……それって、もしかして」 何かを言いかけたマサトを手で制する。 「まだ、何も聞いていないんだ」 「聞いてない?」 「あぁ、美桜から何も聞いてない」 「なんで?」 「なにが?」 「なんで姐さんは何も言わねぇんだよ?」 「まだ、確証がねぇーからだろ」 「……」 「多分、それを確認する為に病院に行こうと思ってるんだろ」 「……そうか」 「あぁ」 マサトは複雑そうな表情を浮かべている。
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