第1章

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「マサト、お前も知ってるだろ?」 「なにを?」 「美桜が重度の病院嫌いだって」 「あぁ」 「でも、今回は一切拒否らなかったんだ」 「えっ?」 「それだけ、切羽詰ってるんだと思う」 「……」 「体調が悪くてキツイっていうのもあると思うけど」 「……」 「なんとなくそれだけじゃないような気がする」 「そうか」 「あぁ」 「分かった。 俺は何も知らないし気付いていないフリをする」 「そうしてくれると助かる」 「あぁ、でも……」 「……?」 「姐さんの口からはっきりと結果を聞いたら、俺にもちゃんと報告しろよ」 「当たり前だ」 マサトに事情を話したお蔭で俺の心は少しだけ軽くなった。
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