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病院に向かう車の中でも
俺が受付をしている間も
診察の順番を待っている間も
美桜は元気が無かった。
椅子の背凭れに身体を預けて、瞼を閉じている美桜は身体のキツさと戦っているようにも見えるし、何かを考えているようにも見える。
「大丈夫か?」
俺は幾度となく美桜にそう声を掛けた。
その度に美桜は
「うん、平気」
弱々しくそう答える。
そんな美桜を見ているとなにか悪い病気じゃないかと不安が過る。
どうか、俺の予想が当たっていてほしい。
心底、俺はそう思っていた。
一通りの検査を終え、医師の診察を終えた美桜は少しだけ顔色が良くなっているようにも見えた。
もしかしたら、それは検査や診察が終わりストレスが軽減された所為かもしれない。
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