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「リークー!」
校門前でこうして草壁の名前を叫ぶのはもう何度目になるだろう?
バイトがない日は校門前で部活帰りの草壁を待った。
いつもお腹の底から声を出して全力で草壁を呼ぶ。
思いっきり草壁の名前を叫ぶだけで嬉しさが内側からこみ上げてきて、あたしは笑顔でいっぱいになる。
あたしのラブパワー全開な呼びかけで、うつむき加減でとぼとぼ歩いていた草壁の足は、確かに止まったはずなのに。
いつも通り、真っ赤になって俯いたはずなのに。
草壁は一度足を止めたものの、あたしを無視して歩き出した。
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