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「もう諦めたのかと思ったよ。こんな所にいたんだ」
後ろからポスっと頭をはたかれ、ギョっとなっておもむろに振り返ると桜井がいた。「健気だねぇ」と続ける桜井の顔はニヤけている。
このオジサン、ケナゲだなんて絶対思ってないよ。
このニヤケ顔が本心。楽しんでるんだ。
腹立つぅ。
「んー。バイト先に暇になったからもっと入りたいって言ったんだけど、無理って言われちゃって」
「単なる暇つぶしと?」
「まぁねー。それよりさぁ、草壁の矢、相変わらず全然当たってないじゃん。どうして?」
このオジサンにこれ以上丸裸にされるのはごめんだ。
適当にあしらって、あたしが聞きたいことだけ聞きだせばそれでいいんだ。
ふんっ。
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