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「こんな所でなにやってんだよ。今日は堂々と入ればいいだろう」
放課後、体育館の扉の前でモジモジしていると背後から桜井が声をかけてきた。
やたら緊張しているせいか、ギョっとして肩が跳ねるほどビックリした。
「ちょっと。急に声かけないでよ。ビックリするでしょ」
「あぁ、すまん」
あたしのヒステリックな反応に桜井もビックリしたのか、いつものようにからかうことなく素直に謝ってくる。
素直な桜井なんて桜井じゃなくて。
あたしは自分が普通じゃないことを自覚する。
「あ、ごめんなさい。ヒステリー過ぎて自分でひいたよハハ」
あたしが苦笑をもらして肩を落とすと、桜井の方は眉尻を下げた。
「緊張しているのか?」
「……うん。心細いの」
「そうか」
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