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その時の七瀬は、ひどく悲しい顔をしていた。
なにに、そんなにおびえているんだろう。
「いいよ、大丈夫。
ここに居るよ。だから、もう泣かないで」
するとすごくうれしそうな顔をして
コクンッとうなずいた。
あー、今思えば、あの時にもう惚れてたんだな。
そこから、何かと理由つけて追いかけまわしてたし。
「何やってんだろ、俺」
「仕事しろ…!!」
いつの間にか、声に出ていたようだ。
蛍が物凄く睨みながら、ドサッとどんどんおかれる書類の束。
蛍のバカやろー!!
「何か文句でも?」
「いえ、ないです…」
ハァ…。
郁代…今何してんのかな…。
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