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どうやら俺は、フェロモン出しまくりらしい。 西と、千世いわく。 元々口数が少ないせいもあり、気づくと 『気のあるふりしてサイテー』か 『つまんない男ね』で 女が勝手に騒動を起こす。 それに巻き込まれるのが…… 俺は横目で千世を見た。 布地のように洗練された漆黒の長い綺麗な髪、暑そうにはらう細くて小さな手。 少し猫目で、大きく垂れ下がった目は、いつか落ちるんじゃないかと思うほどで…。 ……巻き込まれるのは、この千世。 見た目とのこの違い。 生まれるのを男に間違えたんじゃないかも思うほどの気の強さ。 さっきみたいに、俺を守ろうとしてあの始末。
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