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~Examination~
「もしかして、俺は彼女が目覚めるまでずっとこのままなの?」
アサミの胸に手を寄せ、
このまま押し倒しそうな姿勢のまま、
アキトは恨めしそうに夏海を見上げる。
アサミは記憶の海に旅立つと共に、意識を失った。
「アキト!!」
有無を言わさぬ夏海の声と、
条件反射でアサミを抱える姿勢になったまま
動くなと言われ、じっとしてる。
「この体勢、腰がいてー。」
「まだ3分しか経ってない。我慢しろ。」
アキトの方を見もせずに高木が言う。
「一応、今回、患者じゃん?俺?」
「そうよ~。診察中だから、
先生の言うことを聞きなさい。」
夏海も、診察室の机に腰をかけたまま、のんびりした声を投げる。
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