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「やー、もー先生っ!!!な、な、何がしたいんですかっ…」
黙って夏海とアサミのちちくりあいを見ていた、男がため息をもらし、目をそらす。
「無茶苦茶だな…。」
「大丈夫。この子、ドMだから。」
「ドMじゃない!!先生、いい加減にしてください!!」
アサミが、白衣の女の足をかかとで思い切り踏んづけた。
「った~…。冗談じゃない。そんなに本気ださなくても。」
「冗談で、知らない人の前でこれ以上脱ぐのはヤですっ。」
「あら。本気ならいいの?というかアキトくんのこと、あなた知ってるんじゃない?」
ここで男が目深に被ったニット帽を脱いだ。
顎のラインにあわせて丁寧にカットされた金色の髪がサラリとこぼれた。
「え?…えー!!いや、あの、知ってるというか…」
「週刊誌で見たことあるっていいたいの?」
このビルに入って初めてその男…人気ロックバンドのボーカリスト・アキトがニヤリと笑った。
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