第1章 プロローグ

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水沢「はい。あっ、そうだ。」 水沢先生は何か思い出したのか、机の下からかごを取り出して持って来た。 日影「これは……俺のデッキ…」 かごの中には本体が赤やオレンジ色を基調とした柄のカード入れが1つと輪ゴムで束ねられたカードの束が入っていた。 俺は迷わずカード入れを見る。 ふたの部分の真ん中辺りに大きな傷跡があり、そこを糊のような何かで埋められていた。 日影「この傷は…」 水沢「何か硬い物にぶつけた様な傷があったので直しておきました。でもごめんなさい、私にはこれが精一杯でした。」 なるほど、とケースに付いた傷跡を見て あの時俺は後輩にデュエルで敗れ、モンスターに心臓を撃ち抜かれて死んでしまったと思ったが一命をとり留めたのはこれのおかげだと悟った。 日影「いえ、ありがとうございます。」 俺はかごに一緒に入っている輪ゴムで束ねられたカードを見た。 水沢「日影さん、もし差し支えなければ何があったのか話してはもらえませんか?」 水沢先生の質問に俺は黙って俯く。 どこから話せば良いんだろう………
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